200422 統一日報
元駐英北韓公使の太永浩氏(57・未来統合党)が、4・15総選挙でソウル・江南甲選挙区から当選した。脱北者の選挙区国会議員誕生は初めて。
コッチェビ(北韓のストリートチルドレン)出身のチ・ソンホ氏も、未来韓国党から比例代表として出馬し当選した。北韓人権運動家でNAUH代表のチ氏は「松葉杖の脱北者」として有名だ。
チ氏は列車事故で腕と足を失った。2000年、松葉杖をつきながら中国に渡り、コメを買おうとした際に逮捕されて北へと送還。その後、2006年に弟を連れて再び脱北。チ氏のこうした壮絶な経験の数々は、国会議員当選への力となった。チ氏のように、比例代表から当選した脱北者議員は前例がある。2012年の第19代総選挙で当選した趙明哲氏だ。
しかし、太永浩氏のように政党から公薦を受けて選挙区から出馬したのも、有権者の投票で当選したのも今回が初めてだ。さらに、ライバルの金星坤・共に民主党候補を圧倒的な票差で引き離して当選した。太氏の得票率は58・4%で、金候補の39・6%をはるかに上回った。脱北から4年目で韓国国会議員という責任ある地位を得た。命をかけて韓国に渡った4万人の脱北者たちにとって、希望の光ともいえる。
太氏は当選が確定すると、夫人のオ・ヘソン氏とともに愛国歌(韓国の国歌)を歌った。当選後の第一声は「大韓民国は私の祖国です」だった。