アジアプレスインターナショナル カン・ジウォン 2020.04.17
北朝鮮で医療支援活動を行ってきた在米韓国人医療協会のパク・ギボム教授は4月14日、「北朝鮮当局は中国からのコロナウイルスの流入遮断に成功したものと見られる」と、初期の防疫努力を評価する一方、今後、最悪の場合15万人以上の住民が死亡する可能性があると指摘した。
ワシントン米国平和研究所(USIP)が開催した討論会「コロナウイルスが北朝鮮に及ぼす影響」での発言を「自由アジア放送」(RFA)が14日伝えた。
北朝鮮の一流医療機関と過去13年間の交流経験から、パク教授は、病院にある人工呼吸器は50個よりも少ないと推定。また、病院のベッド数は3万1000から最大で33万、集中治療室(ICU)のベッド数は500から最大で5000と推定されるとし、少ない推定値が現実に近いものと述べた。
討論会でパク教授は、医療システムが非常に脆弱な北朝鮮でコロナウイルスが拡散した場合、最悪15万人以上の住民が新型コロナ肺炎で死亡すると予測した。
もし、コロナウイルス拡散の緩和措置が全く採られない場合、感染者1人が3人以上に感染させるという最悪の状況を仮定すると、80万のベッドと20万の集中治療質のベッドが必要になり、北朝鮮の能力を超えるとした。
一方、強力な感染緩和措置が早急に実行されて感染者数を75%削減することができれば、死者は約7000人程度で済むが、その場合に必要なベッド数は約1万3000、集中治療室のベッド数は約2500だとした。(カン・ジウォン)